田山花袋
乗り鉄は 車窓の 風景を 愉しむから 視界が 遮られると 不都合なので 曇った 窓を 浄める ために 古布を ポケットに おさめ 旅に出る。ごしごしと 車窓を 拭いている お方を 見かけたことは ある。渓谷美は ダムの 建設に よって 言われる 通り だいぶ 変化して しまった。八方を 丸く 収めるのは 至難の業 なので 仕方ないかな とも 感じられる。耶馬溪より 球磨渓が ずっと 優れていると する。歩くのが 心許なくなっても まだ 歩きたい 気持ちが 窺われる。