「あちこちの渓谷」の感想
あちこちの渓谷
あちこちのけいこく

田山花袋

分量:約5
書き出し:私は渓谷がすきで、よくあちこちに出かけた。時にはまだ世間にその名を知られてゐない渓谷を探して、それを一つ一つ書いて見たいと思つたこともある。中年に脚気を病んで、心臓をわるくして、登山が出来なくなつた身には、さういふ形ででも山に親しみたいと思つたのである。此処には少しそのことを書いて見ようと思ふ。木曾谷などは今では汽車から覗いて行くことが出来るやうになつたが、私達の青年時代の眼に映つたその谷は、決し...
更新日: 2025/09/10
艚埜臚羇1941さんの感想

  乗り鉄は 車窓の 風景を 愉しむから 視界が 遮られると 不都合なので 曇った 窓を 浄める ために 古布を ポケットに おさめ 旅に出る。ごしごしと 車窓を 拭いている お方を 見かけたことは ある。渓谷美は ダムの 建設に よって 言われる 通り だいぶ 変化して しまった。八方を 丸く 収めるのは 至難の業 なので 仕方ないかな とも 感じられる。耶馬溪より 球磨渓が ずっと 優れていると する。歩くのが 心許なくなっても まだ 歩きたい 気持ちが 窺われる。