「奉教人の死」の感想
奉教人の死
ほうきょうにんのし
初出:「三田文学」1918(大正7)年9月

芥川竜之介

分量:約27
書き出し:たとひ三百歳の齢《よはひ》を保ち、楽しみ身に余ると云ふとも、未来永々の果しなき楽しみに比ぶれば、夢幻《ゆめまぼろし》の如し。—慶長訳 Guia do Pecador—善の道に立ち入りたらん人は、御教《みをしへ》にこもる不可思議の甘味を覚ゆべし。—慶長訳 Imitatione Christi—一去《さ》んぬる頃、日本長崎の「さんた・るちや」と申す「えけれしや」(寺院)に、「ろおれんぞ」と申すこの国の...
更新日: 2023/06/04
鍋焼きうどんさんの感想

《殉教》この美名の何たる空虚なことか。密通を以って〈ろおれんぞ〉を排斥した者たちは何程の罰が科せられたのか? 翁の娘は本当に地獄に堕ちるのか? 神が実在するのなら〈ろおれんぞ〉は復活しなければならない。

更新日: 2019/10/26
19双之川喜41さんの感想

 慶長二年五月の古書を下敷きに書かれた。 文体にも古色をつけた。 で 読み解くには 忍耐がいるけど その先には 深い感動がまつ。 色々な仕掛けが込めてあり 意外な展開となる。

更新日: 2017/03/09
faf0f22a5d6aさんの感想

昔の日本のキリスト教の様子が 古文体にもかかわらず、生々と 描かれ、さすがに芥川龍之介。 英語をどのように日本語に訳して いたのか、当時の様子も感じられて大変興味深いです。

更新日: 2016/09/18
148331adaf89さんの感想

芥川作品、キリスト文学作品の中でも屈指の傑作であり、名作。テーマは自己犠牲と殉教だ。その自己犠牲のうつくしさと顛末の巧妙さは、今なお作中に鮮やかに輝き続けている。