「晩秋の頃」の感想
晩秋の頃
ばんしゅうのころ
初出:「文章世界 第四巻第十五号」1909(明治42)年11月15日

田山花袋

分量:約4
書き出し:秋は深くなつた。落葉ががら/\と家の周囲を廻つて通る。朝から障子に日が当つて、雀がチヤ/\と鳴いて居る。芭蕉の葉は既に萎《しほ》れた。栗の実を拾ひに、競つて朝早く子供等の起きたのはつい此間であつたが、今は落葉が深く積つて、それを掃く音が高く聞える。朝|焼火《たきび》をした火が午後まで消えずに残つて、プス/\と細い煙を立てゝ居ることなどもある。近所の工場の物音も手に取るやうに聞えて、黒い煙が晴れた空...
更新日: 2025/01/03
65c8aadc88adさんの感想

川喜 植木職人に よると 建仁寺 生け垣は 三年位しか もたない。とくに野分を 喰らったりすると 垣は 崩れ落ちる。住み着いて 数年 過ぎ去ったことが 思い返される。屋敷林として 誰かが うえたであろう 欅の大木は 風を切る音が 下から上に 上から下に 海鳴りのように どよめく。晩秋の 武蔵野が 壮観を表わすと 感じた。05:28