田山花袋
川喜 植木職人に よると 建仁寺 生け垣は 三年位しか もたない。とくに野分を 喰らったりすると 垣は 崩れ落ちる。住み着いて 数年 過ぎ去ったことが 思い返される。屋敷林として 誰かが うえたであろう 欅の大木は 風を切る音が 下から上に 上から下に 海鳴りのように どよめく。晩秋の 武蔵野が 壮観を表わすと 感じた。05:28