「町」の感想
まち
初出:「文章世界 第六巻第十一号」1911(明治44)年8月1日

田山花袋

分量:約6
書き出し:県庁のある町には一種のきまつた型がある。大抵封建時代の城址をその公園にして、其一部に兵営があつたり、行政|官衙《くわんが》があつたりする。そしてその街には屹度東京の浅草公園とか大阪の千日前とかを小さくしたやうな賑かな一角を持つて居る。県庁のある町は概して感じが浅薄で、何処となく気分がそは/\する。繁華の程度が加はつて来れば来るほど、其土地固有の古い空気を失つて居る。広島だの仙台だの、岡山だの、福岡...
更新日: 2024/04/28
19双之川喜41さんの感想

 県庁所在地のある町の 感想を しるしてある。山陰道では 松江が 良いという。宍道湖(しんじこ)は ベニスのようだと いう人もいる。山に 囲まれた 甲府と若松は どちらも 人は 構わず規模の小さい 局量(きょくりょう)の狭い しかし 気概の 強いところが あるとする。両地ともに 谷湖を 形成していたのが 特徴であるという。背景を 説明し得て こうみょうであると 感じた。