「この子を残して」の感想
この子を残して
このこをのこして
初出:「この子を殘して」大日本雄辯会講談社、1948(昭和23)年

永井隆

分量:約256
書き出し:永井博士一家(写真右より誠一さん、博士、茅野さん)浦上天主堂の廃墟にたつ誠一、茅野兄弟。この子を残してうとうとしていたら、いつの間に遊びから帰ってきたのか、カヤノが冷たいほほを私のほほにくっつけ、しばらくしてから、「ああ、……お父さんのにおい……」と言った。この子を残して——この世をやがて私は去らねばならぬのか!母のにおいを忘れたゆえ、せめて父のにおいなりとも、と恋しがり、私の眠りを見定めてこっそ...
更新日: 2021/08/21
19双之川喜41さんの感想

 「研究したい原子病そのものが 私の体の中にある。」 採血▫解剖にも 教材として 身を差し出し 役に立ちたいとの 意欲が 強かったようだ。 しかし 原子力発電には 反対ではなかった。 感動する。

更新日: 2018/11/01
4b49b85dd235さんの感想

Wikipediaには「自分の子供を残して死んでゆく悔しさと、自分の専門にかかわる病気と戦争で死ぬ悔しさを訴えたもの」とありますが、私には、我が子と亡き妻への限りない愛情と神への祈りを綴った書のように思えます。神への絶対の信頼、揺るぎない信仰こそが人間の生きる道だと、まもなく孤児となる我が子たちへ伝えたかったのではないかと感じました。私はクリスチャンでも仏教徒でもなく特定の信仰もないのですが、漠然と「神」の存在はあると思っています。人としての凜とした生き方、絶望の中でも信仰と信念を失わなければ光を見出だしていけることを教えていただいたような気がします。