「妖怪学」の感想
妖怪学
ようかいがく

井上円了

分量:約153
書き出し:序言妖怪学は応用心理学の一部分として講述するものにして、これに「学」の字を付するも、決して一科完成せる学を義とするにあらず。ただ、妖怪の事実を収集して、これに心理学上の説明を与えんことを試むるに過ぎず。すなわち、心理学の学説を実際に応用して事実を説明し、もって心理考究の一助となすのみ。かくのごとく、妖怪の事実を考究説明して他日に至れば、あるいは一科独立の学となるも知るべからず。ゆえに、これを講述す...
更新日: 2021/06/14
阿波のケンさん36さんの感想

題名は妖怪学だが世の中の不思議に神代からの膨大な資料を使いコックリさんを始めとする多くの古来の予知能力と言われるものを論破した作者の努力には最大限の賛辞を贈りたい。日本近代化のバイブルだ。

更新日: 2020/12/31
19双之川喜41さんの感想

 円了の創設した哲学堂は 東京の中野にあるので 奇妙な公園が あることは 承知していた。 コックリさんは 下田港から 上陸してきたとは 知らなかった。 水木ファンならずとも 興味深い。

更新日: 2018/07/01
ハルチロさんの感想

本作品は、文明開化に伴い、西洋科学が流入し、諸事諸般科学的に分析され始めた時代に著された学術書です。書名から、民俗学的、伝承的なものかと思われましたが、心理学に基づき、前時代まで解明困難であった、孤貍妖怪とみられた事象を科学的に分析されています。正しく“正体見たり枯れ尾花”といったところを明解に説いています。

更新日: 2016/10/10
f0ee43106fa9さんの感想

コックリさんって明治からあったのか…!今は忘れられた民間療法や迷信。占いなんかも紹介されていて、凄く面白いです。妖怪と言うよりは、民俗学的?遠野物語みたいな?世の中の迷信一覧!こんなものを探していました。チラッと真面目に何でそれが起きるのか考えてもいます。