「妖怪学一斑」の感想
妖怪学一斑
ようかいがくいっぱん

井上円了

分量:約30
書き出し:私は七、八年前より妖怪のことを研究しておりまして、今日のところでは、いまだ十分に研究し尽くしたわけではありませんがその研究中であって、いろいろその事実を収集しております。果たしてこれが何年の後に成功するか分かりませんが、どうぞしてこれだけの事実を集めた上で、一つの学科として研究したいという私の精神であります。このことは、今日この教育社の記念会の席でお話しするのは、少し不適当かと思いましたが、しかし...
更新日: 2022/05/30
ハルチロさんの感想

本作品は、明治時代に催された講演の速記を書き起こしたものです。学問的に「妖怪」を解き明かすというのが面白いです。「文明開化」とはいえ、地方に行けば、伝承、伝説、風習が人々に信じられていた時代でしょうから、これを科学的に解明するのは、学術的に価値があったのかも知れません。研究結果が楽しみです。