「恩を返す話」の感想
恩を返す話
おんをかえすはなし

菊池寛

分量:約24
書き出し:寛永十四年の夏は、九州一円に近年にない旱炎《かんえん》な日が続いた。その上にまた、夏が終りに近づいた頃、来る日も来る日も、西の空に落つる夕日が真紅の色に燃え立って、人心に不安な期待を、植えつけた。九月に入ると、肥州《ひしゅう》温泉《うんぜん》ヶ|嶽《だけ》が、数日にわたって鳴動した。頂上の噴火口に投げ込まれた切支丹宗徒《きりしたんしゅうと》の怨念《おんねん》のなす業だという流言が、肥筑《ひちく》の...
更新日: 2023/04/17
b90c80704cb9さんの感想

主人公は惣八郎の親切を 恩と言うより借りと感じてる所がもうすでに器が小さいと思う 心から感謝して恩送りをしたらみんな幸せになれるのに 意気地がないと一生を棒に振るんだという戒めになる

更新日: 2022/11/11
鈴木さんの感想

甚兵衛は惣八郎のことを気に食わなかったりライバル視していたが、惣八郎は甚兵衛のことが嫌いではなかったのだと思う。会ったときに惣八郎は多くの場合言葉を掛けたのも、甚兵衛と仲良くなりたかったのかもしれない。甚兵衛は助けられた負い目、恩を返す方法に苦しんでいた。もし素直に感謝して惣八郎と言葉を交わして分かり合えていたら、それだけでも十分恩返しになったのではないだろうか。惣八郎の視点での話も読んでみたいと思った。

更新日: 2022/10/29
鍋焼きうどんさんの感想

武士のプライドを守るために半生を徒労に費した。この救いようのない愚かしい思い込みは、大小の差こそあれ、実は現在の我々にもあって、精神の消耗を招来している。物事を主観だけで捉えていると陥穽に嵌まる。

更新日: 2017/02/07
b9ef941530ccさんの感想

菊池寛の恩を返す話は島原の乱で活躍できなかった甚兵衛の報恩の話。結局、わからない話。