主人公は惣八郎の親切を 恩と言うより借りと感じてる所がもうすでに器が小さいと思う 心から感謝して恩送りをしたらみんな幸せになれるのに 意気地がないと一生を棒に振るんだという戒めになる
甚兵衛は惣八郎のことを気に食わなかったりライバル視していたが、惣八郎は甚兵衛のことが嫌いではなかったのだと思う。会ったときに惣八郎は多くの場合言葉を掛けたのも、甚兵衛と仲良くなりたかったのかもしれない。甚兵衛は助けられた負い目、恩を返す方法に苦しんでいた。もし素直に感謝して惣八郎と言葉を交わして分かり合えていたら、それだけでも十分恩返しになったのではないだろうか。惣八郎の視点での話も読んでみたいと思った。
武士のプライドを守るために半生を徒労に費した。この救いようのない愚かしい思い込みは、大小の差こそあれ、実は現在の我々にもあって、精神の消耗を招来している。物事を主観だけで捉えていると陥穽に嵌まる。
菊池寛の恩を返す話は島原の乱で活躍できなかった甚兵衛の報恩の話。結局、わからない話。