妖怪漫談
ようかいまんだん
初出:「不同調」1928(昭和3)年12月号分量:約8分
書き出し:このごろ少しく調べることがあって、支那の怪談本——といっても、支那の小説あるいは筆記のたぐいは総てみな怪談本といっても好いのであるが——を猟《あさ》ってみると、遠くは『今昔物語』、『宇治拾遺物語』の類から、更に下って江戸の著作にあらわれている我国の怪談というものは、大抵は支那から輸入されている。それは勿論、誰でも知っていることで、私自身も今はじめて発見したわけでもないが、読めば読むほどなるほどそう...