「火に追われて」の感想
火に追われて
ひにおわれて
初出:「婦人公論」1923(大正12)年10月号

岡本綺堂

分量:約13
書き出し:なんだか頭がまだほんとうに落ちつかないので、まとまったことは書けそうもない。去年七十七歳で死んだわたしの母は、十歳の年に日本橋で安政の大地震に出逢ったそうで、子供の時からたびたびそのおそろしい昔話を聴かされた。それが幼い頭にしみ込んだせいか、わたしは今でも人一倍の地震ぎらいで、地震と風、この二つを最も恐れている。風の強く吹く日には仕事が出来ない。少し強い地震があると、またそのあとにゆり返しが来はし...
更新日: 2023/12/26
鍋焼きうどんさんの感想

関東大震災の目撃者、岡本綺堂の生々しいルポ。対岸の火事と傍観するも、災害が拡大して襲ってくる。全てを灰塵に帰する火災が一番恐ろしい。