「二葉亭四迷の一生」の感想
二葉亭四迷の一生
ふたばていしめいのいっしょう
初出:「二葉亭四迷」1909(明治42)年8月1日号

内田魯庵

分量:約150
書き出し:二葉亭《ふたばてい》の歿後《ぼつご》、坪内《つぼうち》、西本両氏と謀《はか》って故人の語学校時代の友人及び故人と多少の交誼《こうぎ》ある文壇諸名家の追憶または感想を乞《こ》い、集めて一冊として故人の遺霊に手向《たむ》けた。その折諸君のまちまちの憶出《おもいで》を補うために故人の一生の輪廓を描いて巻後に附載したが、草卒の際序述しばしば先後し、かつ故人を追懐する感慨に失して無用の冗句を累《かさ》ね、故...
更新日: 2018/06/27
05a56b584be0さんの感想

二葉亭四迷の名前に触れたのは、学生時代の日本史の授業であったと思う。その時は、ただ、試験に出る文人として、代表先の書名を記憶したに過ぎなかった。最近、明治期の大日本帝国陸軍情報将校「石光真清」氏の回顧録に触れ、そこに「二葉亭四迷」と接点を持った旨の記録を見た。ここに、本書を見つけ読み進むに、成る程、二葉亭四迷のハルピン行の記述を見る。本書にて、二葉亭四迷の人物像に触れ、明治士族の気概に圧倒される次第である。文人としての二葉亭四迷よりも、大陸浪人としての二葉亭四迷に興味を持った。