西欧には、それぞれ独自の素晴らしい文化があるのと同じように日本にも誇るべき歴史的文化があるのに、その価値を自虐的に卑下否定し、闇雲に西洋文化の猿まねに走る当時の軽薄な日本の社会的風潮を痛烈に冷笑している。しかし、先に書かれたアメリカ物語やふらんす物語を読めば、それらの批判が欧米文化の否定のうえでなされたものでないのは明らか。冷笑という作品もある。
始めから終いまで訳が解らなかった。 けど明治の、薫り漂う作風は 読んでいながら遠い過去に、時間旅行させてもらった感が 後味に残った。
芸術とは何かと問われると難しいが、その答えの一端にはなりそう。