僧が夜半ー午前0時に鐘をつくとあるが大晦日の除夜の鐘以外にそんな時間に鐘をついてのいたのだろうか?気になる。
若い頃には、気にも止めなかった鐘の音が、老いを感じ始めた頃から、なぜか耳について仕方がない。死の影に覆われた老いを意識し始めた男は、孤独の夜に、ひとり今は亡き人々の寂寥の声に深く心を澄まして耳を傾ける。何者にも頼らず生涯をひとりで生きて行くと決した孤独者の覚悟を綴った荷風随筆の白眉である。
可もなく不可もなく
昭和初期の東京の空気をしっかりつかんで 寂しいけど、温かい滋味あふれる随筆 "富士おろし"なんて現象も感じられないし、言葉も使われない今の東京だけど こういう文を書いてくれた街に生まれ住んだ嬉しさを感じている。