「小説作法」の感想
小説作法
しょうせつさくほう

永井荷風

分量:約25
書き出し:一小説はいかにして作るものなるやどういふ風にして書《かく》ものなりやと問はるる人しばしばあり。これほど答へにくき問はなし。画《え》の道ならば『芥子園画伝《かいしえんがでん》』をそのままに説きもいづべく油画ならばまづ写生の仕方光線の取方絵具の調合なんど鴎外《おうがい》西崖《せいがい》両先生が『洋画|手引草《てびきぐさ》』にも記されたりと逃げもすべきに、小説かく道といひては原稿紙買ふ時西洋紙はよしたま...
更新日: 2017/07/20
同志ヨシフさんの感想

現代文学に通じるところもあれば、そうでもないところもある。 ただ、小難しいようでいて、物書きを口説きに例えたりフランス語を推してくるのは大変荷風先生らしく、肩の力を抜いてくれる。 時折はっと目の覚めるような言葉が出てくるのもまた素晴らしい。 しかしこの先生、最初乗り気無さそうに見えて、案外ノリノリである。