「向島」の感想
向島
むこうじま

永井荷風

分量:約5
書き出し:隅田川《すみだがわ》の水はいよいよ濁りいよいよ悪臭をさえ放つようになってしまったので、その後わたくしは一度も河船には乗らないようになったが、思い返すとこの河水も明治大正の頃には奇麗《きれい》であった。その頃、両国《りょうごく》の川下《かわしも》には葭簀張《よしずばり》の水練場《すいれんば》が四、五軒も並んでいて、夕方近くには柳橋《やなぎばし》あたりの芸者が泳ぎに来たくらいで、かなり賑《にぎや》かな...
更新日: 2024/11/02
ドラコさんの感想

墨東綺譚も昭和12年。既に隅田川は異臭を放っていたのか。そう思うと向島の景色雰囲気も少々残念な感を抱く。昭和40年頃の隅田川も異臭を放っていた。今も向嶋墨堤組合、嶋が使われている。

更新日: 2019/11/04
19双之川喜41さんの感想

 荷風が ニューヨークの公園のベンチで 新聞を読んでいたところ  その昔 浅草橋場の岸の桟橋で釣りをしていた人から  声を かけられたので  奇遇に驚いたと言う。 川も 昔の汚れに比べれば  随分と綺麗になったものだと  感慨を新たにする。