「蘭学事始」の感想
蘭学事始
らんがくことはじめ

菊池寛

分量:約40
書き出し:一杉田玄白が、新大橋の中邸を出て、本石町三丁目の長崎屋源右衛門方へ着いたのは、巳刻《みのこく》を少し回ったばかりだった。が、顔馴染みの番頭に案内されて、通辞、西善三郎の部屋へ通って見ると、昨日と同じように、良沢はもうとっくに来たと見え、悠然と座り込んでいた。玄白は、善三郎に挨拶を済すと、良沢の方を振り向きながら、「お早う!昨日は、失礼いたし申した」と、挨拶した。が、良沢は、光沢のいい総髪の頭を軽く...
更新日: 2022/04/22
19双之川喜41さんの感想

 拙速を 嫌うのは 学問の王道であり 反論するには 周到な立論が必要とされよう。 何れだけ 説得したのか 討議を尽くしたのか 窺い知る術もないけど 両者相まって 医学 の進展に寄与したと 感じた。

更新日: 2017/04/25
ayameさんの感想

玄白の良沢へのライバル心が、丁寧に描かれていて面白かった。玄白の最後の言い分は最もで、一人で完璧を求めるより、知識を複数の誰かと共有した方が事業をより早く成し遂げられるように思われる。解体新書発刊後の二人も読んでみたい。

更新日: 2017/02/13
b9ef941530ccさんの感想

菊池寛の蘭学事始は蘭学の全てをやりたい前野良沢と医学書の訳書を出したい杉田玄白とで、考え志の違いで、良沢と玄白は仲違いする。江戸時代、唯一の海外の玄関口であった、長崎オランダ商館カピタンから片言のオランダ語を教えてもらい、後は只独学で、オランダ語の解体新書を邦訳するのだから、その苦労は想像を絶する。

更新日: 2015/12/13
b6226aa70d42さんの感想

玄白が作者で、良沢が芥川なのかも知れないな。読みやすい文章だった