「仙人掌の花」の感想
仙人掌の花
しゃぼてんのはな
初出:「猟奇」1932(昭和7)年1月

山本禾太郎

分量:約24
書き出し:(一)閑枝《しずえ》は、この小さな北国の温泉町へ来てからは、夕方に湖水のほとりを歩くことが一番好きであった。丘一つ距てた日本海に陽が落ちると、見る見るうちに湖面は黒くなって、対岸の灯が光を増すのであった。陽が、とっぷりと暮れる。芦の葉ずれ、にぶい櫓声《ろごえ》、柔かな砂土を踏むフェルト草履の感じ、それらのすべては、病を養う閑枝にとっては一殊淋しいものではあったが、また自分の心にピッタリと似合った好...
更新日: 2025/09/10
8eb05d040692さんの感想

引き込まれるように読みました。とても面白かったです。