「船医の立場」の感想
船医の立場
せんいのたちば

菊池寛

分量:約30
書き出し:一晩春の伊豆半島は、所々《しょしょ》に遅桜《おそざくら》が咲き残り、山懐《やまぶところ》の段々畑に、菜の花が黄色く、夏の近づいたのを示して、日に日に潮が青味を帯びてくる相模灘が縹渺《ひょうびょう》と霞んで、白雲に紛《まぎ》れぬ濃い煙を吐く大島が、水天の際《きわ》に模糊《もこ》として横たわっているのさえ、のどかに見えた。が、そうした風光のうちを、熱海から伊東へ辿る二人の若い武士は、二人とも病犬か何か...
更新日: 2023/05/28
鍋焼きうどんさんの感想

昔であれば学校の道徳のテキストになるべき内容だ。アメリカ人同士の議論が面白いのは勿論だが、この言を通して青年武士の矜持が伝わってきたのが良かった。日米の胸熱な理解に喜びを感じた。

更新日: 2017/02/14
b9ef941530ccさんの感想

菊池寛の船医の立場は、ペリー艦隊の船に乗り込んで、海外事情を知ろうとする、二人の青年を皮膚病理由に船から下ろす。しかし、彼らは捕らえられ、処刑されることになった。船医は自分の下船の判断が正しかったのか、苦悩する。