手長と足長
てながとあしなが
土蜘蛛研究
つちぐもけんきゅう初出:「民族と歴史 第一巻第四号」1919(大正8)年4月分量:約14分
書き出し:三才図会に長脚《あしなが》国・長臂《てなが》国がある。「長脚国は赤水の東にあり、其の国人長臂国と近く、其の人常に長臂人を負ひて、海に入つて魚を捕ふ。長臂国は※僥国の東にあり、其の国人海東にありて、人手を垂るれば地に至る」とある。全く空想の国には相違ないが、我が清涼殿の荒海の障子には、これを絵に書いてある事が枕草子にも見えて、人口に膾炙しているところである。信州諏訪には手長大明神・足長大明神の二社が...