「埋もれた日本」の感想
埋もれた日本
うもれたにほん

――キリシタン渡来文化前後における日本の思想的情況――

――キリシタンとらいぶんかぜんごにおけるにほんのしそうてきじょうきょう――初出:「中央公論」1951(昭和26)年3月号

和辻哲郎

分量:約56
書き出し:この問題を考えるには、まず応仁の乱(一四六七—一四七七)あたりから始めるべきだと思うが、この乱の時のヨーロッパを考えると、レオナルド・ダ・ヴィンチは二十歳前後の青年であったし、エラスムス、マキアヴェリ、ミケランジェロなどはようやくこの乱の間に生まれたのであるし、ルターはまだ生まれていなかった。ポルトガルの航海者ヘンリーはすでに乱の始まる七年前に没していたが、しかしアフリカ回航はまだ発展していなかっ...
更新日: 2017/03/24
b9ef941530ccさんの感想

和辻哲郎の埋もれた日本キリシタン文化渡来前後における日本の思想的状況では室町時代中期応仁の乱までの応永、享永年間が、最も文化が華咲いた時代であると言う。世阿弥や雪舟など、多くの文人巨匠が輩出した時代である。応仁の乱以後は下剋上の時代と言われるが、これは旧体制の人間から見た、旧来の秩序の崩壊みに見えただけで、新しい社会変動にすぎない。和辻哲郎は歴史学者ではなく、民俗学者なので、歴史の扱いが違う。