「孔子」の感想
孔子
こうし

和辻哲郎

分量:約198
書き出し:序自分には孔子について書くだけの研究も素養も準備もない。その自分を無理にしいてこの書を書くに至らしめたのは小林勇君である。が、書いてしまった以上は、この書の責任は自分が負うほかはない。自分は甘んじて俎上《そじょう》に横たわろうと思う。右のような次第であるから、この書には自分の気づかぬいろいろな誤謬があるかも知れぬ。が、自分が志したのは、いまだ孔子に触れたことのない人に『論語』を熟読玩味してみようと...
更新日: 2024/04/18
19双之川喜41さんの感想

 孔子の 教えは 人の道を 中心とする。ほかの 宗教のように 死-魂-神を 重要視しないことが 特色であると 説く。このことが 限界でもあるような 感じは してきてしまう。

更新日: 2017/04/06
b9ef941530ccさんの感想

和辻哲郎の孔子は、論語が弟子たちによって書かれた問答集であり、論語という書名もその記載内容も戦国時代以降に、徐々に弟子たちによって編纂され、漢代には今の形になったのか?孔子は、人の生きるべき道を説き、倫理・道徳を説くが、迷信めいたものや、神様とかは語らず、答えようとしない。あくまでも現実主義で、人の生きるべき道のみに興味関心があった。古い時代が良かった、周の時代や諸制度が一番良く理想的であると、変革や新しいものへの起業者精神に乏しい凡人であった。孔子は論語で表現され、讚美されるほどの人物ではなく、後世、弟子たちがそういうふうにでっち上げたのかも? 『論語之研究』の武内義雄を讚美し、優れた研究家としている。孔子の論語を読むには、この武内義雄の著作がお薦めという。