雙之川喜1941 そのころは 本書を 片手に 古寺を 巡り歩く ことが 社会現象のように ブームと なり あなたも わたしも こぞって 古都を 巡礼 したものである。和辻の 文章は 平易で 達意の 文章 である ことも 人気の 遠因と 思われた。これを 漫画化するのは かなり 手を焼く 分野なので 誰も 手を つけないで あろうと 感じた。
何処が 気に入らなくて その筋から 圧力が かかったのだろう。 半裸体とあるから 軟弱ということか。 出征前に読んでおきたいから 貸してくれとか 筆写させてとかいう声は あったようだ。 審美眼を 称賛する。
3カ月位かかって読了しました。本文に出てくるお寺、仏様、建物、壁画等いちいちスマホの画像を見て確認し、場合によっては歴史をWIKIPEDIAで調べたり、スマホを活用する新しい読書法ができました。 台湾の李登輝元総統の愛読書の一つだそうですが、大変良い選択だと思います。 深い教養に裏付けられた歴史感は時の為政者には不都合だったのでしょう。
奈良の古寺を巡りながら歴史上人物または名もなき芸術家との関わりが、和辻の評論の中で、展開されていくのが興味深く面白かった。
和辻哲郎の古寺巡礼は、流石に和辻哲郎だけあって、日本の古美術仏像を見事に形容して描いている。難解な言葉を用いず、誰もが知っている言葉を見事に駆使して、読者にあたかもその物を看ている如く説明している。見倣いたいほどだ。彼のインド、ガンダーラ、西域文化の伝来影響の主観と空想も面白い。日本が日本独特の進化変化を遂げているという考えもうなづける。日本の気候風土が優しい仏像を産んだという考えもうなづける。