「漱石の人物」の感想
漱石の人物
そうせきのじんぶつ
初出:「新潮」1950(昭和25)年12月号

和辻哲郎

分量:約29
書き出し:私が漱石と直接に接触したのは、漱石晩年の満三個年の間だけである。しかしそのおかげで私は今でも生きた漱石を身近に感じることができる。漱石はその遺した全著作よりも大きい人物であった。その人物にいくらかでも触れ得たことを私は今でも幸福に感じている。初めて早稲田南町の漱石山房を訪れたのは、大正二年の十一月ごろ、天気のよい木曜日の午後であったと思う。牛込《うしごめ》柳町の電車停留場から、矢来下《やらいした》...
更新日: 2022/03/08
19双之川喜41さんの感想

 漱石の住まいの描写が凄い。 ここから生み出された作品の 臨場的な理解がふかまる。 芥川も 木曜会に参加していたようで 智のサロンの様子が 伝わる。 大正文化の中心地を 生き生きと描く。