北大路魯山人
もう何十年も昔ですが、子供ながらに竹の筒で鰻を捕っていました。中にしその葉っぱとドバミミズを入れ、口の部分にミミズを擦り付けて匂いをつけました。そして、夕方川岸の方に浸けて石で覆い、翌朝早くあげに行くと何匹もの鰻が入っていたものでした。 家に帰ると母親が、釘で鰻をまな板に打ちつけて小刀で背開きしました。鰻は暴れるしヌルヌル滑るので濡らした新聞紙で押さえていました。 蒲焼きにした鰻は当時も御馳走ではあったのですが、高級というイメージはなかったです。今は昔の話です。