「蚤」の感想
のみ

斎藤茂吉

分量:約7
書き出し:蚤という昆虫は夏分になると至るところに居るが、安眠を妨害して、困りものである。生れ故郷の村にも蚤は沢山いたが、東京という大都会には蚤なんか居ないだろうと想像して、さて東京に来てみると、東京にも蚤が沢山いた。それは明治二十九年時分の話で、僕は浅草の三筋町に住んでいた。その家(浅草医院といった)の診察室に絨緞が敷いてあったが、その絨緞を一寸めくると、蚤の幼虫も沢山つかまえることが出来た。それから繭をつ...
更新日: 2016/10/08
アキアカネさんの感想

蚤に悩まされ始めたのは結婚後からだ。つまり婚家に蚤がいたのだ。それまで刺されときの辛さを知らなっかたためアメリカ留学した友人の蚤に悩まされた話を聞き流してしまっていた。この物語は作者の蚤との戦いの物語であるが辛さを知っている人にはより共感できる。 今婚家に蚤はいない。