鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
かじかざわゆきのよばなし(こむろさんのごふう、たまござけ、くまのこうやく)
分量:約16分
書き出し:これは三|題《だい》噺《ばなし》でございます。○「ひどく降《ふ》るな、久《ひさ》しいあとに親父《おやぢ》が身延山《みのぶさん》へ参詣《さんけい》に行《い》つた時にやつぱり雪の為《た》めに難渋《なんじふ》して木の下で夜《よ》を明《あか》したとのことだがお祖師様《そしさま》の罰《ばち》でもあたつてゐるのかしら、斯《か》う降《ふ》られては野宿《のじゆく》でもしなければなるまい、宿屋《やどや》は此近所《こ...