主人公は初代江戸家猫八、高見は高見順だろうし久米は久米正雄だろうが、実在の人達。時代を考えても、こんなことを小説として書いて良いのかと思った。芸談というより皮肉混じりの観念小説。岩野泡鳴がすごく嫌われていたのも分かる。が、なかなか面白い。
江戸屋猫八の話とは知らずに読みましたが、鳴きまねから、きっとそうだろうと思いながら読み進めて、はたしてその名前が出てきたときには、自分の中で上手く落ちがつきました。 読みながら、亡くなられた猫八さんの芸が思い出されました。話の内容や時代から考えて、先代の方の話だと思いますが、初代・猫八さんとの偶然の出会いにすこしうれしい気持ちになりました。
なんともふしぎな味わいのある話。ちょっと変わった切り口で描かれた芸人伝。