「猫八」の感想
猫八
ねこはち
初出:「大阪毎日新聞」1918(大正7)年9月~10月

岩野泡鳴

分量:約52
書き出し:一「おい、大将」と呼びかけられて、猫八《ねこはち》は今まで熱心に読み耽《ふけ》ってた講談倶楽部《こうだんクラブ》から目をその方に転じた。その声ですぐその人だとは分ってたので、心易《こころやす》い気になって、「いよう、先生!」わざと惚《とぼ》けた顔つきをしてみせながら、「よくこの電車でお目にかかるじゃアございませんか——さては、何かいい巣でもこッちの方にできました、な?」「なアに、巣鴨の巣、さ!」「...
更新日: 2015/07/07
80a6b5c171cbさんの感想

主人公は初代江戸家猫八、高見は高見順だろうし久米は久米正雄だろうが、実在の人達。時代を考えても、こんなことを小説として書いて良いのかと思った。芸談というより皮肉混じりの観念小説。岩野泡鳴がすごく嫌われていたのも分かる。が、なかなか面白い。

更新日: 2015/07/04
694e53fc3ba1さんの感想

江戸屋猫八の話とは知らずに読みましたが、鳴きまねから、きっとそうだろうと思いながら読み進めて、はたしてその名前が出てきたときには、自分の中で上手く落ちがつきました。 読みながら、亡くなられた猫八さんの芸が思い出されました。話の内容や時代から考えて、先代の方の話だと思いますが、初代・猫八さんとの偶然の出会いにすこしうれしい気持ちになりました。

更新日: 2015/07/03
aaa6ce116d69さんの感想

なんともふしぎな味わいのある話。ちょっと変わった切り口で描かれた芸人伝。