何十年か前なら家庭ドラマとして成立していた。今なら妻から三下り半付けて離婚、養育費の請求をしてとことん夫を懲らしめるだろう。というわけでこんにちの男は間違ってもこんなことしません。
これ なまほ(生活保護)の問題には ならなかった。 制度はなかったし 息子二人は 安定職種なので 父を追いかける終幕は 世の喝采を受けてしまった。 嘘みたいな結末で 現代なら 普通 半殺しになるでしょうと感じた。
てっきり出征していた父親が帰還する感動の話かと思ったら、借金し女を作り家出した父親が20年ぶりに帰ってくるという話だった… なんだ… ずっと家庭を支えてきた長男の気持ちになるとこの再会に感動するどころか憤りを感じる。残された家族は、どれだけ苦労し努力してきたのだろう。 ただ母親は愛する人(愛してた人) の帰還に驚きとちょっと感動を隠し得ないような雰囲気がある。どれだけ苦労していても情に負けそうな感じがする。 長男は母親のことを思い、結局父親を呼び戻すことにする。親に翻弄される子がここにも…やっぱり無償の愛とは子の親に対する愛だ。 そして、どうなったんだろう。 父親はもしかしたら幽霊だったのだろうか。 続きがあるのだろうか。 色々憶測を呼ぶラストだった。
20年前に蒸発した父が年老いて帰ってきたら、妻や子どもたちは果たして、どのような反応をするだろうか? 長男のように敵対するのが心情であると思う。父が家出して一番苦労したのが長男だから仕方ない。妻はどことなく帰ってくることを期待していた感がある。その辺が、時代なんでしょうね!妻たるもの耐え忍んで亭主に尽くす精神が再婚をさせなかったのでは? それとも、そんな亭主でも昔の幸せな時の記憶が呼び起こされ、夢となって脳裏から離れない心境か! 本当は父が帰ってきた理由は別のところにあるのではないか?昔同様豪傑に振る舞っていたが、実は余命1年だとか、そんなことを告げに帰ってきたのではないか?当時の男として、金を恵んで貰うためとすれば、いささか女々しい行為ではないか?長男から叱責されるのは覚悟の上そのはず、予想通り受け入れられなかったので、潔く撤退したのだ。啖呵を切ったのだ!だから、父は死期を自らの手で早めるかもしれない。未練はないと。
面白い 明治だなぁ、としみじみ思う 父の威厳や権威が当時は 落ちぶれても たとえそれが 理不尽であっても あった。 父も潔い あやかりたいものだが・・・・・・
親と子の心模様を浮き彫りに表している作品