「坊っちやん」の感想
坊っちやん
ぼっちゃん
初出:「ホトトギス 第九巻第七号」ほとゝぎす発行所、1906(明治39)年4月1日

夏目漱石

分量:約218
書き出し:一親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりして居る。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間程腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出して居たら、同級生の一人が冗談に、いくら威張つても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。小使に負ぶさつて帰つて来た時、おやぢが大きな眼をして二階位から飛び降りて腰を抜...
更新日: 2024/04/15
19双之川喜41さんの感想

 あらすじの つかみとしては 小さい頃から 周りに いる人たちと うまく 付き合うことが 得意とはいえない 青年が 愛媛で 教職につき 悪戦苦闘するという 筋立てである。江戸から 東京へと 急激な 時代の変化に 嫌気がさし もんもんとする 心情を 描いたと 見立てることも 出来よう。漱石は 愛情の 不変性を 読み手に 伝えたかったのかもしれない。物語の 背景として 松山市の 旧制中学校が 重要な 役割を負う。いまだに 熱血青年教師ものの 原形と なっているような ふしは あるようにも 感じた。方言が なんとも 心地好い。