平民道
へいみんどう
初出:「実業之日本 二二巻一〇号」1919(大正8)年5月1日分量:約12分
書き出し:渡米船上の感激先達《せんだって》中本誌の余白を借りてデモクラシーに関して一言するところがあった。今回計らずもデモクラシーの本家本元なる米国に渡るを好機会として、自分の述べた事が他人の、ことに先輩の説くところとどれほど符合するか、また背馳《はいち》するかを見たい心掛である。横浜を出帆する際、親類を見送りに来られた文学博士遠藤隆吉君に甲板上で遇うたら、同君が『社会及国体研究録』の第一号を手渡しつつ「デ...