「煤煙の匂ひ」の感想
煤煙の匂ひ
ばいえんのにおい
初出:「中外」1918(大正7)年7月号

宮地嘉六

分量:約66
書き出し:一彼は波止場《はとば》の方へふら/\歩いて行つた。此《こ》の土地が最早《もう》いつまでも長くは自分を止まらせまいとしてゐるやうで、それが自分のにぶりがちな日頃の決心よりも寧《むし》ろ早く、此の土地を去らねばならぬ時機が迫つて来はせぬかといふ、妙に心細い受け身の動揺の日がやつて来たのだ。勿論《もちろん》それは彼の思ひ過ぎでもあつた。これまでも屡々《しば/\》あつたことだ。こんな気持の時は足がおのづか...
更新日: 2021/08/27
19双之川喜41さんの感想

 プロレ文学のようなものである。 流れ者の 最下層の工場労働者が 他の地に行くでもなく 代わり映えのしない生活を送り たまに 経済書らしき本を読むという筋である。