泉鏡花
十和田湖畔のホテルに滞在している。 朝の4時半だ。まだ太陽は昇ってこない。8月の12日。霧はなく湖面が見える。確かに蝉の声は聞こえなかったが赤とんぼもいない。何軒かのホテルは廃業している。どことなく廃れた観光地のイメージだ!鏡花が訪れた昭和初期はどのような賑わいを見せたのだろうか?寂しさを感じているところからそれがこの湖のもつ味わいなのだろう。龍神が今にも湖面から天に昇っていく姿を想像するのは以外に簡単である。十和田湖はそんな湖だ。