「十和田の夏霧」の感想
十和田の夏霧
とわだのなつぎり

泉鏡花

分量:約3
書き出し:彼處《かしこ》に、遙《はるか》に、湖《みづうみ》の只中《たゞなか》なる一點《いつてん》のモーターは、日《ひ》の光《ひかり》に、たゞ青瑪瑙《あをめなう》の瓜《うり》の泛《うか》べる風情《ふぜい》がある。また、行《ゆ》く船《ふね》の、さながら白銀《しろがね》の猪《しゝ》の驅《か》けるが如《ごと》く見《み》えたるも道理《ことわり》よ。水底《みなそこ》には蒼龍《さうりう》のぬしを潛《ひそ》めて、大《おほい...
更新日: 2016/08/11
芦屋のまーちゃんさんの感想

十和田湖畔のホテルに滞在している。 朝の4時半だ。まだ太陽は昇ってこない。8月の12日。霧はなく湖面が見える。確かに蝉の声は聞こえなかったが赤とんぼもいない。何軒かのホテルは廃業している。どことなく廃れた観光地のイメージだ!鏡花が訪れた昭和初期はどのような賑わいを見せたのだろうか?寂しさを感じているところからそれがこの湖のもつ味わいなのだろう。龍神が今にも湖面から天に昇っていく姿を想像するのは以外に簡単である。十和田湖はそんな湖だ。