「月夜車」の感想
月夜車
つきよぐるま
初出:「毎日電報」1910(明治43)年3月6日

泉鏡花

分量:約30
書き出し:一宴會《えんくわい》と云《い》ふが、優《やさ》しい心《こゝろ》ざしの人《ひと》たちが、なき母親《はゝおや》の追善《つゐぜん》を營《いとな》んだ、其《そ》の席《せき》に列《つら》なつて、式《しき》も盞《さかづき》も濟《す》んだ、夏《なつ》の夜《よ》の十|時《じ》過《す》ぎを、袖崎《そでさき》と言《い》ふ、………今年《ことし》東京《とうきやう》の何某大學《なにがしだいがく》の國文科《こくぶんくわ》を卒...
更新日: 2025/01/07
65c8aadc88adさんの感想

雙喜 題意は 月夜に 走り抜ける 人力車を 廻る 小さな話し だけど 鏡花の手にかかると ことのほか うつくしい 情景が 読み手の 脳裏に 忽然と 浮かび 上がる。女紅場(じょこうば)と よばれる 遊郭の 女に 遊芸-茶花を 教えていた 師匠が 息子を 育てあげたけど これからと いうときに 憐れにも なくなり その師匠に たいする 報酬のため 芸者達が 施主となり 会が 開かれて 送迎の車が 月の下を 走り回る 有様が 格調高く 再現される。夢の中のような 出来事と 感じた。05:39