「訳本ファウストについて」の感想
訳本ファウストについて
やくほんファウストについて

森鴎外

分量:約15
書き出し:私が訳したファウストについては、私はあの訳本をして自ら語らしめる積でいる。それで現にあの印行本にも余計な事は一切書き添えなかった。開巻第一の所謂《いわゆる》扉一枚の次に文芸委員会の文句が挿んであるが、あれも委員会からの注意を受けて、ようよう入れたのである。その裏に太田正雄さん、文壇での通名木下杢太郎さんがこの本の装釘をして下すったと云うことわりがきがドイツ文で書き入れてあるが、あれも文芸委員会の文...
更新日: 2021/09/02
19双之川喜41さんの感想

 鴎外は 訳本の中の植物の名前について 牧野富太郎博士に問い合わせている。 博士は 和名について調査した結果を回答している。 それは 日本にはない植物であった。 今では考えにくいけど (正誤表命)という時代は あったのである。

更新日: 2016/09/15
芦屋のまーちゃんさんの感想

鴎外がゲーテのファウストを訳していたとは知らなかった。作品名でファウスト検索したら、青空文庫にも森鴎外訳のが確かにある。しかし、これが初版は語訳だらけだったとは信じられない。鴎外が訳したのだから、間違いない。凡人は普通そう安心する。ところが鴎外は自分の誤りを素直に認めるところが立派だ!!!