「鴉」の感想
からす

森鴎外

分量:約19
書き出し:ライン河から岸へ打ち上げられた材木がある。片端は陸に上がっていて、片端は河水に漬かっている。その上に鴉《からす》が一羽止まっている。年寄って小さくなった鴉である。黒い羽を体へぴったり付けて、嘴《くちばし》の尖った頭を下へ向けて、動かずに何か物思に沈んだようにとまっている。痩せた体が寒そうである。河は常よりも涸れている。いつも水に漬かっている一帯の土地がゆるい勾配をなして露われている。長々と続いてい...