「世界漫遊」の感想
世界漫遊
せかいまんゆう

森鴎外

分量:約31
書き出し:ウィインで頗《すこぶ》る勢力のある一大銀行に、先《ま》ずいてもいなくても差支《さしつかえ》のない小役人があった。名をチルナウエルと云《い》う小男である。いてもいなくても好《い》いにしても、兎《と》に角《かく》あの大銀行の役をしているだけでも名誉には違いない。この都に大勢いる銀行員と云うものの中で、この男には何の特色もない。風采《ふうさい》はかなりで、極力身なりに気を附《つ》けている。そして文士の出...
更新日: 2023/03/07
19双之川喜41さんの感想

 いなくても 一向に差し支えのない 銀行員が 懇請されて 世界旅行に 出かける。中尉の 振りをして 世界各地から 郵便を出し 中尉の 旅行の アリバイ工作を するのが 義務なのである。無事に 漫遊から 帰国すると 意外にも 出世コースにのり 結婚までできた。鷗外には 珍しく ユーモア小説の 翻訳である。よほど暇な時に読むのも 良いかもしれないと思った。