子供の時分の話
こどものじぶんのはなし
初出:「おとぎの世界」1919(大正8)年7月分量:約21分
書き出し:あめ売《う》りの吹《ふ》く、チャルメラの声《こえ》を聞《き》くと、子供《こども》の時分《じぶん》のことを思《おも》い、按摩《あんま》の笛《ふえ》の音《ね》を聞《き》くと、その人《ひと》は涙《なみだ》ぐみました。その話《はなし》を聞《き》かせた人《ひと》は旅《たび》の人《ひと》です。そして、その不思議《ふしぎ》な話《はなし》というのはつぎのような物語《ものがたり》です。*****町《まち》からすこし...