「金の輪」の感想
金の輪
きんのわ
初出:「読売新聞」1919(大正8)年1月21~23日

小川未明

分量:約7
書き出し:一太郎《たろう》は長《なが》い間《あいだ》、病気《びょうき》で臥《ふ》していましたが、ようやく床《とこ》から離《はな》れて出《で》られるようになりました。けれどまだ三|月《がつ》の末《すえ》で、朝《あさ》と晩《ばん》には寒《さむ》いことがありました。だから、日《ひ》の当《あ》たっているときには、外《そと》へ出《で》てもさしつかえなかったけれど、晩方《ばんがた》になると早《はや》く家《うち》へ入《は...
更新日: 2024/06/23
阿波のケンさんさんの感想

短編でも心打たれますね。二つの金の輪は一つは先に亡くなった長男、もう一つは前年に亡くなった長女でしょうね。著者にとっては現実に二人の子供を無くしたという事がこの作品に投影されているのでしょうね。

更新日: 2024/06/18
de524d6953a9さんの感想

40年ぶりに再読したが、昔読んだ時の印象のままだった。 最後の一行の持つ、背筋が戦慄するような衝撃は、自分の読書歴の中で随一のものだ。 存在の儚さを、優しい語り口ながら、逃れようのない峻厳さで表現しえた奇跡のような一編だと思う。

更新日: 2021/03/08
19双之川喜41さんの感想

 「輪」は 何を意味するのだろう。 仏像の 光りの輪のような気がしてならない。 七歳にして 世を去った少年は 大いなる方のもとに 導かれて逝ったに違いない。 白血病の 幼い甥から「僕、死んだほうが、良いの」と聞かれたのを 思い出す。

更新日: 2021/02/13
9d535d8da858さんの感想

金の輪を持っている少年は仏様なのだろうか。 文章の中に近所に大きな寺があると言うふうに出てくるので、そこの仏像だったから太郎はなんとなく見覚えがあったのかしらと思いました。 『仏教用語で『金輪際』という言葉もあるくらいなので『金の輪を持っている少年』はやはり仏様なのかなぁと。 亡くなる前に体調が回復することがあると言うのは聞いたことがあるので、太郎もそのような状態だったのではと思う。その時に仏様が現れてくれて、太郎はそのことをお母さんに言った二、三日あとに亡くなったということで、お母さんも『あの子が言っていたのは仏様なのかもしれない…仏様に守られて逝ったのかもしれない…』と思ってもらえたんじゃないかな。 せめてもの救いになっていればいいなぁと思う。

更新日: 2020/04/13
d3eda380a07aさんの感想

金色に光る輪と少年、太郎は天国でその少年と今頃遊んでいるのでしょう。とくに短い作品ですが涙が出てしまいました。

更新日: 2018/01/04
ec538f32331eさんの感想

とっても悲しーい。お迎えが来るってことなのね。メルヘン調だけど子供向けでは無いですねこれは。

更新日: 2017/10/22
ロンさんの感想

え〜!? 最後そんなオチ!? これって童話!? 金の輪って、天使の輪の事やった??

更新日: 2017/09/14
9adde7a07204さんの感想

何でやねん

更新日: 2017/09/11
4d3b2d5643d4さんの感想

なんて最後なんだ。。

更新日: 2017/04/16
1af85b3955a1さんの感想

結末はちょっと不思議だと思っていますが最終的な美しい画面を目の前に浮かんでいて、太郎のご両親に安心さていますかもしれませんでした。私はそう思います。

更新日: 2016/11/29
9f49d026c658さんの感想

この話を最初に読んだのは何十年も前のことであった。物語のリアリティというものは僕たちの心にそれと信じることを強いるものであって、事実や合理性と呼ぶような類いのものではないのだと、この物語を読んで初めて知った。この物語を読めば、この物語に続く本当の結末を誰もが信じて疑うことはないだろう。そういう僕たちの心の動きをリアリティと呼びたいのだ。

更新日: 2016/11/27
ayameさんの感想

太郎は少年と、自ら進んで友達になろうと考えていた。 このことが、太郎の行く末を暗示しているように思えてならない。

更新日: 2016/09/15
5a8fe3d01317さんの感想

小川未明作品を読むのは6作目になります。 ウィキで小川未明さんをひいて、読んでいたら、金の輪、つまり今作品が代表作とされていたので、検索で絞り込みをかけて読んでみた。 今までの5作品と圧倒的に違うのがそのブラックさ(←この言い方でいいのだろうか)。 なんだかふわふわした作風にたゆたわせておいた読者たちの脳みそに冷や水をかけて消えるみたいな印象の終わり方だった。 ふわふわした作品を神話だとか象徴だとかあれこれと理屈を引っ張ってきて、正体を一応暴くっていうのは、あまり自分は好まないタチだと自分では思っていたのだが、これは聞いてみたい。 隣に作者がいたら、風情もなくすぐさま尋ねてしまうと思う。 なぜ少年は死んだのか。 しかも今回は太郎だ。 なぜ太郎なのか! (ほとんどの未明作品の登場人物に対してだが、)なんとなく愛着が湧いてしまっていたので、死んだという一節を読んだ瞬間、顎を落としてしまった。 あと、これまたウィキ情報なのだが、師である坪内逍遥に、おまえは向いていないからと言われ、普通の(?)文学から、児童文学に転向したとあった。 坪内逍遥さんの文章はちまちま読んでたのしい、言うなればスルメみたいな印象を受けるものだと自分は感じる。 そんな坪内さんを師に持っていたのだから、小川さんもそんな雰囲気のものを書いていたのだろうか。ぜひ読みたい。OK、Google。 なぜ死んだのかについて、話を戻してみる。ちなみに、まだ他の方の考察を読んでみてない。早く読みたい。あと、自分は考察になれていないので、お粗末になってしまうのを謝りたい。 手っ取り早くいうなら、オペラの『魔王』みたいな感じだろうか。病気の少年が、魔王がいるよぉ!捕まえに来るよぉ!と叫んで馬上で父親にしがみつき、しまいには死んでしまう。 今作品は逆に、死神的存在を追いかける感じになっているのではないのだろうか。 少年にとって、死は恐怖ではなく、そばを見知った素振りで走り抜ける、鈴の音みたいな存在だったとか?だろうか。 見知った素振りがひっかかる。なにかいいたげなのもひっかかる。『君そろそろ死ぬよ』と言いたかったとしてしまうなら、楽だけれど。妖怪という線もありだとおもう。 あれだろうか、これだろうか。 考察たのしい。なんだか新しい趣味の扉がガン開きしそうだ。 やりたいときに考察やってしまおう。食わず嫌いせずに。 ひとつ気になるのは、今回のブラックな作品は、作者が素直に書いたのか、それとも周りに影響をうけて、多少うけるほうに寄せてしまったのか。 どちらにせよ彼の作品だし、元来ブラックな雰囲気が好きなので、好物ではあるのだが、なんだか気になってしまう。 もっと小川作品を読んでいこうと思った。

更新日: 2016/06/15
3abbd348611aさんの感想

たった二ページの短編 であるのに、素晴らしい本でした。七つの子が亡くなってしまうことわ、 父親、 ましては、 母親にとってわ、とても悲しいことでしょうね !!最後のほうでは、わたくしも、読みながら、"ああかわいそうな母親"、涙が出ました。

更新日: 2015/07/19
タチバナさんの感想

超短編ながら幻想的な気持ちになる作品。 謎の少年は 日毎に太郎を冥界へと誘いつつも 恐怖感を一切与えず むしろ親近感を与えている。 太郎はこの世を去った事に気がつくだろうか。