「神様の評判はこのように高くなりましたけれど、誰も、蝋燭に一心を籠めて絵を描いている娘のことを思う者はなかったのです。」とその次のパラグラフに胸が締め付けられた。 また娘は船から脱出できたとしても北の海で生きられたのだろうか? 母人魚として全く同じ状況なら自分は手元で子供を育てるが、紛争で命の危険があれば見知らぬ他人に託すかもしれない。 2021/04/02読了。
人の心の揺れ動きやすさを思わされました。
感謝を忘れた報いのおはなし。 はじめは心理描写のあった母人魚に 終盤心理描写がなくなり、淡々と災いをもたらさせることで 怒り、悲しみと怨みのほどを想像させる。 しかし神さまがとばっちりだなぁ。
勧善懲悪の分かりやすい物語。 当然だけど短い物語だからをおじいさんおばあさんの豹変ぶりがスゴイ。 急に前触れなく悪者になる。 結局人間界も悪い所だった。 しかし人魚の母親も無責任。 他人任せで娘を幸せにしてもらおうとした挙句、幸せにしてもらえなければすぐに爺さん婆さんを不幸にする。 身勝手な奴。
子供のころ読んだ時は、ただ哀しい話と思っていました。改めて読むと、人間の心の浅ましさ、変わりやすさなどいつの世も同じだと思いました。不変の物などないのですね。 海の暗さと赤いロウソクの色が心に残る名作です。
ニンゲンって身勝手で、欲深い生き物なんですよ、人魚のお母さん。
美しい文章から人間の暗い部分を感じました。人は哀れな生き物ではないかと思わせるような作品ですね。
小川未明の童話で初めて読んだ作品。 小さい頃読んだこの衝撃は忘れられない。美しい筆致で書かれる人の心の闇に触れた。本当に素晴らしい作品だと思う。
悲しい物語でした。金銭の事になると、人間は、こうも変わってしまうのですね。哀れです。
本当に悲しいお話。童話ですが単なる道徳的なお話とかそういう物ではないです。 個人的には酒井駒子さんの絵本で読むのが一番好きです。