王さまの感心された話
おうさまのかんしんされたはなし
初出:「まなびの友」1920(大正9)年12月分量:約14分
書き出し:この世界《せかい》が造《つく》られましたときに、三|人《にん》の美《うつく》しい天使《てんし》がありました。いちばん上《うえ》の姉《ねえ》さんは、やさしい、さびしい口数《くちかず》の少《すく》ない方《かた》で、そのつぎの妹《いもうと》は、まことに麗《うるわ》しい、目《め》の大《おお》きいぱっちりとした方《かた》で、末《すえ》の弟《おとうと》は快活《かいかつ》な正直《しょうじき》な少年《しょうねん》...