角笛吹く子
つのぶえふくこ
初出:「童話」1921(大正10)年3月分量:約14分
書き出し:町《まち》の四《よ》つ角《かど》に立《た》って、一人《ひとり》の男《おとこ》の子《こ》がうろうろしていました。子供《こども》ははだしで、足《あし》の指《ゆび》を赤《あか》くしていましたけれど、それを苦《く》にも感《かん》じないようでありました。短《みじか》い黒《くろ》い着物《きもの》をきて、延《の》びた頭髪《とうはつ》は、はりねずみのように光《ひか》っていました。子供《こども》は、このあたりのもの...