酔っぱらい星
よっぱらいぼし
初出:「赤い鳥」1920(大正9)年1月分量:約16分
書き出し:佐吉《さきち》が寝《ね》ていると、高窓《たかまど》の破《やぶ》れから、ちらちらと星《ほし》の光《ひかり》がさしこみます。それは、青《あお》いガラスのようにさえた冬《ふゆ》の空《そら》に輝《かがや》いているのでありました。仰向《あおむ》けになって、じっとその星《ほし》を見《み》つめていますと、それが福々《ふくぶく》しいおじいさんの顔《かお》になって見《み》えました。おじいさんは、頭《あたま》に三|角...