百姓の夢
ひゃくしょうのゆめ
初出:「女性日本人 4巻1号」1923(大正12)年1月分量:約30分
書き出し:あるところに、牛《うし》を持《も》っている百|姓《しょう》がありました。その牛《うし》は、もう年《とし》をとっていました。長《なが》い年《とし》の間《あいだ》、その百|姓《しょう》のために重《おも》い荷《に》をつけて働《はたら》いたのであります。そして、いまでも、なお働《はたら》いていたのであったけれど、なんにしても、年《とし》をとってしまっては、ちょうど人間《にんげん》と同《おな》じように、若《...