「北京日記抄」の感想
北京日記抄
ぺきんにっきしょう

芥川竜之介

分量:約22
書き出し:一雍和宮今日も亦《また》中野江漢君につれられ、午頃より雍和宮《ようわきゅう》一見に出かける。喇嘛寺《らまでら》などに興味も何もなけれど、否、寧ろ喇嘛寺などは大嫌いなれど、北京名物の一つと言えば、紀行を書かされる必要上、義理にも一見せざる可らず。我ながら御苦労千万なり。薄汚い人力車に乗り、やっと門前に辿りついて見れば、成程大伽藍には違いなし。尤《もっと》も大伽藍などと言えば、大きいお堂が一つあるよう...
更新日: 2025/01/08
65c8aadc88adさんの感想

双喜 芥川は 嘛寺など 興味がない むしろ大嫌いと 言ってのける。とは言え 名所なので 仕方なく 出掛けたという。東配殿には 木彫りの 歓喜仏があり 堂守りに 銀貨を 一枚 遣ると 繍曼を 開けて ちょつとだけ 見せてくれる。あの ちょつとだけよの 世界である。また 暑い 時期には 車夫は 涼しい 地方に 移動して そこで 働き 妻は 暑い 北京に 残って 汗を かきかき 春を 売って 亭主に 負けずに 働くという。男女共に 対等に 働く。これぞ 男女平等の 社会である。昔の 北京も 美しい 伝統を 遺していく 意気込みは 凄まじかったと 感じた。 04:38