「父の婚礼」の感想
父の婚礼
ちちのこんれい

上司小剣

分量:約40
書き出し:一父の婚禮といふものを見たのは、決して自分ばかりではない。それは繼母といふものを有《も》つた人々の、よく知つてゐることである。曾て、クロポトキンの自傳を讀んだ時、まだ二十とはページを切らぬところに、父の婚禮を見ることが書いてあつたことを覺えてゐる。……母が死んでから、父はもうそろ/\其の眼を世間の若い美しい娘たちの上に投げた。——といふやうなことが、あの黄色い假表紙の本の初めの方にあつたと思ふ。父...
更新日: 2022/04/08
19双之川喜41さんの感想

 茶室の 炉にくべる 高級な炭を  半日かけて  同じ 寸法に 切り揃えるような 父は  息子と あまり年の離れていない 後添えを  迎えることになった。 淡々と  抑制的な文で  その有様が 描き出される。 息子の浮かない気持ちは  しみじみと 伝わってくると感じた。