「落日の光景」の感想
落日の光景
らくじつのこうけい
初出:「新潮」1960(昭和35)年8月

外村繁

分量:約43
書き出し:一私の妻は乳癌に罹り、築地の癌研附属病院で左胸部の切除手術を受けた。更にコバルトを照射するため、大塚の同病院の放射線科に移ることになった。私達の自動車が大塚の病院の構内に沿って左折した時、道路に面したその石垣の上に、いずれも夥しい花をつけた沈丁花が植込まれているのが、私の目に入った。一瞬、私は噎《む》せ返るような、沈丁花の芳香を幻覚する。妻の病室は三階の三十八号室である。妻は手術後の経過は良好で、...
更新日: 2022/02/13
19双之川喜41さんの感想

 半世紀以上前の  妻の 乳癌の 闘病生活を 記したものであるけど なまもののように 数日間しかもたない 薬を  航空機で海外から取り寄せ  薬効のあるうちに 急いで投薬する という 治療法もあったようである。 夫は落日を眺めながら  点滴の中に  酒を 忍ばせ様という妄想にふける。