「荷風戦後日歴 第一」の感想
荷風戦後日歴 第一
かふうせんごにちれき だいいち

永井荷風

分量:約63
書き出し:昭和廿一年一月一日(熱海にて)一月初一。晴れて風なし。またとはなき好き元旦なるべし。去年の暮町にて購ひ來りし暦を見て、久振に陰暦の日を知り得たり。今日は舊十一月廿八日なるが如し。世の噂によれば諸會社株配當金も去年六月以後皆無となりしのみならず、今年は個人の私有財産にも二割以上の税かゝると云。今日まで余の生活は株の配當金にて安全なりしが、今年よりは賣文にて餬口の道を求めざるべからず。去秋以後收入なき...
更新日: 2019/10/03
19双之川喜41さんの感想

 終戦直後の 食料事情が 値段を含めて 詳細に記されているので 懐かしく思う向きは いるかもしれない。 毒砂糖入りの汁粉を 怖がって 食べないようにしたりする。 大屋のラジオの騒音を避けるため 駅の待ち合い室に逃げ込んだり 耳に綿を詰め込んでみる。 ほとんどの人が  ひどい目にあった 頃の話である。