みだれ髪
みだれがみ
初出:「みだれ髪」東京新詩社・伊藤文友館、1901(明治34)年8月15日分量:約33分
書き出し:この書の体裁は悉く藤島武二先生の意匠に成れり表紙画みだれ髪の輪郭は恋愛の矢のハートを射たるにて矢の根より吹き出でたる花は詩を意味せるなり臙脂紫夜の帳《ちやう》にささめき尽きし星の今を下界《げかい》の人の鬢のほつれよ歌にきけな誰れ野の花に紅き否《いな》むおもむきあるかな春《はる》罪《つみ》もつ子髪《かみ》五尺ときなば水にやはらかき少女《をとめ》ごころは秘めて放たじ血ぞもゆるかさむひと夜の夢のやど春を...