「いちじくの葉」の感想
いちじくの葉
いちじくのは

中原中也

分量:約1
書き出し:夏の午前よ、いちじくの葉よ、葉は、乾いてゐる、ねむげな色をして風が吹くと揺れてゐる、よわい枝をもつてゐる……僕は睡《ねむ》らうか……電線は空を走るその電線からのやうに遠く蝉は鳴いてゐる葉は乾いてゐる、風が吹いてくると揺れてゐる葉は葉で揺れ、枝としても揺れてゐる僕は睡らうか……空はしづかに音く、陽は雲の中に這入《はひ》つてゐる、電線は打つづいてゐる蝉の声は遠くでしてゐる懐しきものみな去ると。(一九三...
更新日: 2019/07/24
ハルチロさんの感想

詩やウタには、全く弱い。情けない話であるが、森羅万象に対する美的感受性が乏しいのかもしれない。この詩に対する印象は、夏の人気のない一本道、真っ直ぐに延びた、どこまでも続く道に自分の将来をなぞらえ、憧れと不安を表現しているのであろうか、と言った感じの捉え方をしてしまう。凄く素敵なウタであると思うが、吟われた方の胸中を思い図れない自分が悲しい。