「続俳諧師」の感想
続俳諧師
ぞくはいかいし

――文太郎の死――

ぶんたろうのし初出:「國民新聞」1909(明治42)年1月~6月

高浜虚子

分量:約135
書き出し:一豫て手紙で言つて來て居つた春三郎の兄の佐治文太郎の上京が事實となつて現はれて來た。上野の停車場に文太郎を迎へに行つた春三郎は自分の兄が斯く迄に田舍者だとは思はなかつた。古風な綿ネルのシャツを著て大きな鞄を重さうに提げて人込みの中をうろ/\としてゐた。それから漸く春三郎を見つけて、「おゝ春三郎か」と言つた人の善ささうな顏には嬉しさが包み切れなかつた。「私持たう」と言つて春三郎が其鞄を受取らうとした...
更新日: 2016/06/11
a98a2cd23bf1さんの感想

『俳諧師』の続編となっていますが、登場人物たちの名前は 変えてあります。 高浜虚子については、俳人ということしか 知らなかったので 二つの 小説を読んで、 若かりし頃の 生活が 一部分でも 解り 関心をもちました。 明治時代の 庶民の生活が わかるのも 興味深い。 当時の 下宿屋 という職業が 現在とは違っていて旅館の要素が あったらしい。 病気、職業、貧困、いつの時代も 根本的な問題は、変わらない。